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稲垣 照美*; 石井 敏満
Infrared Physics & Technology, 41(6), p.325 - 337, 2000/12
被引用回数:21 パーセンタイル:72.65(Instruments & Instrumentation)著者らはこれまでに、対象物の表面温度を非接触で定量的に計測する二色温度計測技術を提案した。本研究では、異なる検出波長域を有する三種類の赤外線放射温度計を併用した三色温度計測技術、または透過波長域の異なる三種類のフィルタを内蔵する赤外線カメラを用いて三色温度計測技術を提案する。実験に用いた放射温度計は、2~13mの波長範囲内で、それぞれ数m範囲の異なる波長域を検出することが可能である。また、計測誤差や手法の適用性を評価するために、対象物表面の放射率をパラメータとした数値解析、及び一連の検証実験を行った。その結果、三色温度計測技術が対象物の放射率、反射率及び周囲環境条件を特定することなく約10Kの誤差で対象物表面の真の温度を評価できることがわかった。また、この計測技術は、原子力を含んだ工学分野及び医学分野において、反射率の特定が困難な対象物の二次元定量温度計測に有効となり得る可能性がある。